第九十八夜 クライヌリッシュ12年

”全てハーフショットで三杯、組み立てはお任せします” こんな注文をしてみました。お勧めのを聞いて其処から自分で一つづつ選んで行くのも良いけれども、バーテンダーさん各々の感性やノウハウを楽しみたければ良い方法です。ポイントはハーフショットという…

第百夜 ラガブーリン ダブルマチュアド

”三杯目はご希望のアイラで” 少し説明すると、ハーフショット三杯シリーズの最後はアイラ島にして欲しいとお願いをしていました。ウィスキー好きの終着駅とも言われるラガブーリン。強力なピート香と甘みを含んだ飲み口が特徴です。しかし、ボトルを見たとき…

第九十九夜 アラン1996ソーテルヌフィニッシュ

二杯目は甘口を、という一言と共にテイスティンググラスには艶やかな琥珀色。メドウサイドブレンディングというボトラーから。 アラン蒸留所の原酒をまずはアメリカンオークの樽で、続いてフランスの激甘貴腐ワイン、ソーテルヌワインの樽で熟成させている。…

第九十七夜 グレンフィディック12年

ウィスキーと塩味について。少し前、知る人ぞ知る”池袋の侍”が幾つかのウィスキーが持つ塩飴のような味わいについて教えてくれたことがあった。確かクライネリッシュだったと思うが、煙たく甘いウィスキーばかり好んでいた私にはとても新鮮に感じられた。現…

第九十六夜 山崎シェリーカスク

山崎蒸留所という蒸留所があって、そこにはシェリー樽で熟成された原酒もあればパンチョン、ミズナラ、バーボンなどの樽で熟成された原酒もある。それらを組み合わせてこれだという味にしたのが山崎12年や18年という商品になります。しかし組み合わせる…

第九十五夜 ハイランドパーク18年

ハイランドパーク18年。 シェリー樽熟成の原酒が主なので色はこってりとした茶色。 しかし、だからといってシェリーが前面にでる味わいを想像すると少し驚くと思う。まずは、ぼんやりとしてピートの風味と乾いた土。 それに少し甘さを挟んで、桃やマスカッ…

第九十四夜 モルト&ショコラ再び

シングルモルトとチョコレートの組み合わせが強烈にプッシュされ始めたのは、確か去年だった気がする。去年もそう書いたが難しいにせよ、実際大変結構な組み合わせだと思う。苦味と甘み、時に混ざり合い時に引き立て合う、本当に素晴らしい相性だ。文句の一…

第九十三夜 カティサーク

イカの塩辛が好きだ。 ワタの濃厚な風味と旨みの利いた塩味。これで酒がすすむと言わないで何でそういえよう、と思っている。外人に見せるとドン引きされる料理だし、冷静に考えると結構残酷な料理方法ではあるけど、そうしたモラル上の問題を全て帳消しにす…

第九十二夜 サントリー 膳

サントリーのウィスキーに膳というのがある。 というか正確には、あった。軽く薄い甘さに辛口の舌触り、潔い余韻。 和食にあう”和イスキー”として宣伝されていたのもまだ記憶に新しいが2010年を以って廃止となってしまったらしい。我が家にはまだ大瓶が一本…

第九十一夜 サントリー 角瓶

本当に稀なことだが、仕事が自宅のある浦和付近。 全ての予定を終えたのが五時くらいだから、まあ一杯という流れにはなりますね。力という某サッカーチームのサポーターが集うことで有名なお店で一杯。焼き鳥やらモツ煮こみを食べながら。ウィスキーはハイボ…

第九十夜 ラフロイグ10年

帰り道にいつの間にかできていた居酒屋。 たいして期待せずに暖簾をくぐり、椅子に腰を下ろす。あの時、お通しに何かを期待していただろうか。 真鰈の揚げ浸しがでてきた時は正直驚いた。しかも、揚げたてで衣がさくさくとしている。 鰈は酒のつまみにするに…

第八十九夜 ブラックニッカハイボール

新年会2発目。新宿にて同級生と串揚げ。ここはビールだろうという空気を振り切ってブラックニッカのハイボール。個人的にハイボールのすばらしい所は、飲み会スタート時にありがちな”最初はビールで”的なプレッシャーに受け入れられうる逃げ道を提供してく…

第八十八夜 山崎12年

山崎12年についてはまだまだ書き足りないのでもう一日分。昨日の新年会、銀だこと並んでおつまみの双璧を成していたのが葡萄。ウィスキーに生の葡萄という組み合わせはものすごく良い。始めはやや意外そうにしていた客人も最終的にはこの組み合わせを気に…

第八十七夜 山崎12年

本日は友人を自宅に迎えての新年会。気を利かせてウィスキーを持ってきてくれた。山崎12年。つまみのメインは銀だこ。かりっとした衣にとろとろの中身。 大きい蛸も良い味だしてる。山崎の果物っぽい雰囲気がこれよく合う。 ソースの甘酸っぱさにうまいこ…

第八十六夜 アードベッグ アリゲーター

熟成させる樽を目一杯チャー(焦がす)のをアリゲーターチャー(鰐肌焦がし)というんだそうです。アードベッグの個性であるピートの風味に、これがどう絡んでくるのかが楽しみ所。第一印象は果物のような甘さだったのは少し意外ですが、この辺は原酒の強さ…

第八十五夜 セントジョージズ ニュースピリッツ ヘビーピーテッド

厳密にウィスキーと呼ばれるには熟成何年という規定があります(細かい話省略)。それ以前のものはウィスキーと呼んではいけないですし、 熟成するところに旨さの秘訣があるわけですので、さして美味しいものでもありません。しかし、中には熟成前のウィスキ…

第八十四夜 竹鶴21年

正月実家にて。 珍しく父親が一緒に飲もうと用意してくれていました。 宮城峡の蒸留所を見学に行った時に目に付いたとのこと。実家付近の名産品、干し柿と一緒に。 一個だと食べづらいし、味が凝縮されているので勿体無い。 小さく切っておくことをお勧めし…

第八十三夜 アイリーク

”アイラの人”という意味の言葉らしいです。 アイラ島の”どこか”の蒸留所のウィスキーらしいが、 それが”どこか”は公開されていません。 それをああでもない、こうでもないと議論するのもまた一興。土台に揺るぎないピート。まさにアイラ島のウィスキー。 そ…

第八十二夜 アラン マクリムーア

マクリムーアというのはこのアラン蒸留所があるアラン島の湿原の名前。ここにはストーンサークルがあるのですが、 その中の一つには伝説の巨人兵士フィンガルの愛犬ブランを繋いでおいたという伝説があるそうで。そのブラン君が絵のわんこ。ピートを焚いたス…

第八十一夜 ブッシュミルズ

昔の同級生、恩師に再会。一席在った際に消去法的に選んだのですが平日にはかえって良かったかもしれません。ピートの燻しがないことによる軽さや明るさ。難しいことを考えないで明日に備える気分になれます。二杯目にはブラックブッシュにしたのですが、こ…

第八十夜 アードベックルネッサンス

改装工事でしばらく閉まっていたリカーズハセガワ。ようやくオープンということで行ってみました。全体としてすっきりした感じ。 店頭に並べる商品を絞っている印象です。前の所狭し感もわるくなかったのですがね。さて、今回はardbegのルネッサンス。口にす…

第七十九夜 ヘーゼルバーンカスクストレンクス

三回蒸留の原酒をシェリー樽にて熟成、加水なしで瓶詰め。蒸留回数が多い、ということは味わいも軽くなるのかと思いきや結構しっかり旨味や苦みがある。たぶんアルコールそのものの刺激もきくのだろう。それがシェリー樽の風味に負けない個性になっている。…

第七十八夜 ハニースモーク ウィームズモルト

ウィスキーマガジンライブにて、ウィームズ社のブースで貰った。中身は機密だそうだが、ブースの人はおそらくカリラを使っていると推測していた。確かにこざっぱりした煙たさはカリラのイメージだ。当日の我が家、夕食はカキフライ。アイラモルトを使ったウィスキーと…

第七十七夜 ボウモア16年ワイン樽熟成

ウィスキーマガジンライブで試飲。 力強いながら丸みのある煙たさがボウモアの印象ですが、これはそれをバーボン樽で6年、ボルドーワイン樽で10年熟成させています。まずは色合い。曇りの日夕焼け空の様な赤。 これだけで正直なところ、好きになっている部分…

第七十六夜 アラン バーボンカスク

このウィスキーは甘くない。 苦味とスパイスが口の中ではじける。 時折甘さも顔を出すが、それも本当に時折。後半は木の香りと旨みが舌にのってくるが、 苦味とスパイスの勢いはとまらない。肉料理を食べる際の食中酒に良いかも。 そう思ってか思わないでか…

第七十五夜  カリラ25y

以前ウィスキーの余韻をチョコレートで消してしまうのは 勿体ないみたいなことを書いていました。確かにウィスキー→チョコレートの順番で食べると ウィスキーの余韻が勿体ない。しかしその逆はというと、、、、これは悪くないです。 チョコレートの甘さとコ…

第七十四夜 ベンリアック ペドロヒメネスパンチョン

ウィスキーの色について。やはり主役は香りと味なのだけれど、よく見てみると外見にも個性が出ている。原酒そのものの色は透明、若干黄色。ウォッカなどウィスキーよりも更にストイックに蒸留した酒が無機質な透明であるのと比べるとだいぶ暖かい風合いだ。ここ…

第七十三夜 シグナトリーヴィンテージポートエレン1982

今はもう操業してない蒸留所。自分の誕生年のウィスキー。辛口の日本酒を思わせる切れのよい味わい。酒田の初孫を思い出した。適度な煙たさの奥に土の香りが在る。後味に華やかな果実香と舌に残る旨味。上品でハキハキとしたウィスキー。 しかし個人的にそこ…

第七十二夜 響12y

烏賊とは恐ろしい奴。何処をどう食べても旨い。身のねっちりした旨味、墨の底知れないコク、そしてワタの甘さ。煮てよし、干してよし、揚げてよし。まさに烏賊に死角なし、である。それではどの角度にどのウィスキーを合わせるかということになる。昨日我が…

第七十一夜 シグナトリーヴィンテージラフロイグ18y

ラフロイグ、やや長めの熟成、バーボン樽。舌に乗る前に鼻に語りかけてくるピートの煙たさ。アイラだなあ、と。それでいて果実香も。薄くレモン。 そして甘い、舌に優しい。ビリビリとした刺激ではなくじんわりとしたあまにがさが広がる。 飲んでいる時と飲んでか…