第百夜 ラガブーリン ダブルマチュアド
”三杯目はご希望のアイラで”
少し説明すると、ハーフショット三杯シリーズの最後はアイラ島にして欲しいとお願いをしていました。
ウィスキー好きの終着駅とも言われるラガブーリン。強力なピート香と甘みを含んだ飲み口が特徴です。しかし、ボトルを見たとき、色合いに違和感を覚えました。
アイラ島のピート香豊かなウィスキーは、それを引き立たせる為バーボン樽が主流のはず、なのに茶色がかったその色はなんとなくシェリー樽熟成っぽいのです。
話を聞いてみるとやはりシェリー樽熟成のラガブーリン。しっかりとピートの持つ香りが片方にあり、もう片方にはシェリー由来の甘くふくよかな風味。非常に力強いバランスとなっています。
だいたい甘いウィスキーが続くのは飽きるので好きでないのですが、先程の甘口は甘口でもこれとは全く違う雰囲気。すこしも口飽きすることなく楽しめました。
さっぱり飲みやすい→甘口1→甘口2(アイラ)という組み立てをその場で考えつくのは流石プロフェッショナルです。ただこのラガブーリン、非常に個性の強い酒ですので好き嫌いがどうしてもあります。そこで、実は反応がいまいちだったときの為にラフロイグのシェリー樽熟成を用意してくれていたとのこと。
貴腐ワイン樽熟成という変化球が3杯目にシェリー樽熟成のアイラを持ってくる為の伏線だったとは。まさに技ありです。
大好きなピートの香りを楽しみながら2月、雪の夜は更けていき、ここに足掛け二年かけてつづってきたこのブログもひと段落です。
勿論これからも呑むのは辞めませんが、百日は達成。
ウィスキーの楽しみを掘り進め、まだ尽きずさらに掘り進む、そんな二年間でした。