第九十六夜 山崎シェリーカスク
山崎蒸留所という蒸留所があって、そこにはシェリー樽で熟成された原酒もあればパンチョン、ミズナラ、バーボンなどの樽で熟成された原酒もある。それらを組み合わせてこれだという味にしたのが山崎12年や18年という商品になります。
しかし組み合わせる前の原酒もおいしそう。
そんな気持ちにこたえてくれるのがこのシリーズです。
シェリーを含め四種類の樽(カスク)ごとの原酒をボトリング。各々の個性を楽しめます。
今回はその中でもシェリーカスク。
色々感じ方はあるとは思いますが、香りは巨峰だと思います。この季節に触れることのない香りなのでなんだか不思議な気分。
味わいも喉まで残る強い甘さとアクセント程度の渋さ。
麦の旨みもしっかりと舌にのってくる。
多分、一言にシェリーカスクといっても何種類もの個性をもった原酒の蓄積があるのでしょう。だから、シェリーカスクの原酒だけでこれだバランスの良い飲み口が実現できるのだと思う。このあたりが90年近い歴史を誇る蒸留所の力量が成せる業。
美味しかったなあ。