第六十五夜 グレンモーレンジィ マデイラウッドフィニッシュ

基本的に山育ちなので海には結構な憧れを抱いています。

潮の香り、波の音、砂浜の感触。

特に砂浜。細かい砂はよく見ると様々な形、色。白もあれば透明、赤に黒。光を受けると万華鏡のようにみえる瞬間があります。

万華鏡。
今回はそんなウィスキー、グレンモーレンジィ。果実香、煙たさ、甘さ、苦み。このウィスキーの特徴はどの要素もスッと現れては軽やかに消えてゆく。軸が一つや二つではない感じ。

万華鏡を見て時間を忘れるように時間をかけて酔ってゆけます。

今回はそこに生の林檎をあわせてみました。
砂浜に対する波のイメージです。ざーっと甘く爽やかな風味が広がり舌をリセットしてくれます。
そして、林檎の甘さが引ききらないタイミングでウィスキーをもう一口。また万華鏡の砂浜が現れます。至福。

この飲み方、ウィスキーに苦いというイメージをお持ちの方にお勧めです。苦みを多様性の一部として受け入れて楽しむ、そういうことなんだと思うんです。

マデイラ樽フィニッシュの他にも赤ワインの樽を使ったのやらなにやら色々あるので、林檎の方も色々替えてベストな組み合わせを探してみましょう。